乳歯の生え方
お子さまがいらっしゃる方は、歯科検診が始まる季節になると、そろそろ歯が生えてきているのかな?今、どの位まで生えてきているのかな?ということが気になる方も多いかと思います。
今回は歯の生え方(特に乳歯)についての説明をします。
妊娠4~6カ月の段階であごの骨の中に歯が出来始めます。そして、歯の根が作られ始めていくぶん後に口の中に乳歯が生え始めます。
乳歯の生える順序は、
1. 下あごの前歯(乳前歯)が生後6~7カ月で生え始めます。
2. 上あごの前歯(乳前歯)
3. 上あごの前から2番目の歯(乳側切歯)
4. 下あごの前から2番目の歯(乳側切歯)
5. 上下の前から4番目の歯(第一乳臼歯)
6. 上下の子供の犬歯(乳犬歯)
7. 下あごの一番奥の歯(第二乳臼歯)
8. 上あごの一番奥の歯(第二乳臼歯)
です。
通常は、この順序で歯が生え約2歳半までに完成し、完全に咬めるようになります。
3歳半までにすべての乳歯の根が完成し、その時期に永久第一大臼歯(大人の奥歯)の根が作られ始めます。
子供の歯並びが完成すると上下の前歯に通常小さなすき間ができます。このすき間は発育空隙(developmental space)と呼ばれています。中でも上あごの乳側切歯の後ろと下あごの乳犬歯の後ろとにみられるすき間は霊長空隙(primate space)と呼ばれています。
このすき間ができる子供と、できない子供がいますが、すき間ができないからどこかが悪いというわけではありません。ただ、一般的にはすき間がある子供の歯並びの方が、大人の歯に生え替わったときに良い影響を与え易いようです。
参考文献
1) 亀田 晃:歯列と咬合の発育;(飯塚哲夫,瀬端正之,岩澤忠正,本橋康助編:歯科矯正学,医歯薬出版,東京),p.47-48,1992.